2026.01.29

空気感で伝える、今月の気になるWEBサイト2選

今月も、私(大道)が個人的に気になったサイトを紹介していきます。

つくる側の視点で気になったウェブサイトを、つくる側の目線で少しずつ言葉にしていくこの企画。第二回目も、見ていて印象に残ったサイトを取り上げてみます。

①PAW INC.

まずご紹介するのは、クリエイティブカンパニー PAW INC.(パウ) のコーポレートサイトです。

URL:https://paw-inc.jp/

これはどんなサイト?

PAW INC.のサイトは、いわゆる「実績を並べて、強みを説明する」タイプのコーポレートサイトとは少し違います。
ページを開いてまず感じるのは、情報量を抑えながらもインパクトのある佇まいと、余白の気持ちよさ。

コピーやビジュアルは最小限なのに、なぜか「どんな会社なのか」がじんわり伝わってきます。細かく説明されていない分、会社の姿勢や考え方を、行間から読み取るような感覚があります。

「私たちはこういうことができます」と大っぴらに言わず、「こういうつくり方をしています」と、姿勢を示している印象のサイトです。

個人的な気になりポイント

・トップページの情報密度が低くて、呼吸しやすい
・強みを説明しない勇気があるところがかっこいい


特徴的な機能は?

機能的に目立つ仕掛けがある、というよりも、このサイトの特徴は「動きの使い方」と「間の取り方」だと感じました。

スクロールに合わせて現れるテキストやビジュアルは、その動きや内容自体はシンプルでありながらも
その一つ一つがきちんと意味を持って配置されていて、読み進めるリズムを自然につくってくれます。
上から下ではなくあえて下から上に縦横無尽にスクロールしていく生き物(?!)も開放的でワクワクしますね。

かといって、演出が前に出すぎず、コンテンツの邪魔をしない。あくまで伝えるための動きに徹しているところが印象的です。

個人的な気になりポイント

・一見感覚的にみえるアニメーションがきちんと役割を果たしていて納得感がある
・スクロールしていて楽しい360度動き回るテンポ感が好き


WEB制作において参考になりそうなポイントは?

このサイトで特に参考になると感じたのは、情報を削ることで姿勢を伝えている点です。事業内容や実績を細かく書き連ねなくても、「どういうスタンスで制作に向き合っている会社なのか」が伝わってきます。これは、何を載せるか以上に、何を載せないかをかなり慎重に選んでいるからこそ、成立している構成だと思います。

説明を減らした分、コピーの言葉選びや、ビジュアルのトーンにブレがなく、全体として一本の軸が通っているのも印象的でした。

個人的な気になりポイント

・情報が少ないのに、不安にならないのがすごい
・全体のトーンや世界観が最後まで崩れない安心感があります


例えばこんな使い方もできるかも…

このサイトの考え方は、いろいろな場面で応用できそうです。例えば…

・制作会社やスタジオのコーポレートサイトで、価値観や姿勢をにじませる
・ブランドサイトで、言葉数を減らして世界観に集中させる
・採用サイトで、「会社の空気感」を説明ではなく雰囲気で伝える

情報をたくさん載せることが正解とは限らず、むしろ、削った先に残るものこそが、その会社らしさなのかもしれません。

個人的な気になりポイント

・「語らない」ことで信頼感が生まれている気がします
・つくる側として、背筋が伸びるタイプのサイトでした

②COW AKA / 赤箱のススメ — 牛乳石鹸のやさしさを伝えるメディアサイト

二つめに紹介するのは、牛乳石鹸のロングセラー石鹸「カウブランド 赤箱」を中心に据えたオウンドメディアサイト 「赤箱のススメ」 です。

URL:https://cow-aka.jp/

これはどんなサイト?

「赤箱のススメ」は、商品情報を単に並べるのではなく、牛乳石鹸「カウブランド 赤箱」とその関連アイテム・体験を読者の日常に寄り添いながら丁寧に紹介するWebマガジン型のサイトです。

赤箱の歴史や使い方、成分の解説、ユーザーの声、商品ラインナップまで、いわゆるECサイトの商品ページに留まらないコンテンツが展開されています。
「洗顔のコツ」といったHow-to記事や、赤箱の特徴・違いを丁寧に紐解く読み物は、単なる売場ではなく“読みものとして価値がある”設計になっているのが特徴です。

単なる商品説明ではなく、「赤箱と過ごすちょっと豊かな時間」を提案するコンテンツとして設計されているのが印象的です。

個人的な気になりポイント

・単体商品を超えて体験や楽しみ方を丁寧に伝えている。和むしかわいい
・読みものとして飽きない導線がつくられている


特徴的な機能は?

特定の先進的な技術や派手なUIアニメーションの採用が目立つわけではなく、むしろ特徴は情報の見せ方にあります。例えば…

・歴史や豆知識を写真・テキストで丁寧に紡ぐ読み物コンテンツ

・How-to記事で日常的な使い方をやさしく伝える導線

・商品ラインナップだけでなく、関連する読み物への導線が整理されている構造

と、コンテンツ同士のつながりが自然で、記事を読んでいるうちに もっと知りたくなる仕掛けが随所にありました。

個人的な気になりポイント

・導線設計がよく考えられている電子書籍みたいな感覚がおもしろい
・プロダクトの魅力を体験として積み上げる構成がよく練られている


WEB制作において参考になりそうなポイントは?

このサイトで特に参考になると感じたのは、商品を中心にしながらも、体験や価値を言語化して伝えるという設計です。

一般的なECやブランドサイトだと、商品 → 仕様 → 購入 という流れになりがちですが、このサイトでは、読み物(ストーリー) → 使い方 → 背景 という順番で情報が積み重なっていきます。

読者は、まず赤箱の魅力に触れて、その特徴を理解し、最終的には使い方や関連商品に興味を持つ、
というような体験ベースの導線設計が引かれています。

個人的な気になりポイント

・コンテンツ同士の関連性設計が上手い
・言葉だけでなく写真や構成で商品や作り手のやさしさが伝わる


例えばこんな使い方もできるかも

このようなアプローチは、他のブランドや体験型サイトにも応用できそうです。例えば…

商品を、単なる商品情報ではなく読み物として紹介する

How-to・ヒストリー・ユーザーボイスを組み合わせ、丁寧な価値提供をする

日常での使い方提案を通して、ユーザーとブランドの距離を縮める

ストーリーを積み重ねることで、商品そのものの価値だけでなく、使うこと・触れることがどんな気持ちになるかを伝えられるのが魅力です。

個人的な気になりポイント

・読みもの型の体験導線は、説明よりも伝わる時があるかも
・日常の文脈に溶け込むサイト設計がすごい


さいごに、GEAR8から

今回取り上げた二つのサイトに共通していたのは、情報を「正しく伝える」こと以上に、どう感じてもらうか、どんな体験として記憶に残るかを大切にしている点でした。

語りすぎず、押しつけず、余白や行間を通して価値や姿勢がにじみ出てくる。そんな設計だからこそ、見終わったあとにふと印象が残るのだと思います。

GEAR8でも、情報をきれいに整理するだけではなく、「どう受け取られるか」「どんな体験として届くか」を起点に、Webサイトの企画・制作を行っています。

「説明はできているけど、いまひとつ伝わりきっていない」
「内容は悪くないはずなのに、印象に残らない」

そんな違和感があるとき、今回のサイトのような伝えすぎない設計や体験から考える視点が、ヒントになるかもしれません。

課題がはっきりしていなくても、方向性を探している途中でも大丈夫です。Webサイトのこと、まずは気軽にご相談ください。

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